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だいうちゅうえんせいたい

大宇宙遠征隊

海野 十三

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页

青空文庫

火星人弱る

そうかも知れない。火星人らもまた、第四斥候隊の行動は知らぬ筈なのだ。

火星人弱る

第五斥候隊の報告は、まだ続いていた。

“かくして火星人らが狼狽なすところを知らざる中に、飛空機は一刻も休みなく、上昇をつづけつつあり、遂に、大空高く消え去せたり……”

「ああ……」

幕僚は、辻艇長の顔を一寸ぬすみ見て、溜息をついた。辻艇長の横顔には、第四斥候隊を心配する色が、ありありと浮んでいた。

“仲間の飛空機に飛び去られ、月世界上に置去りを食った火星人らは、全く元気を失いて、遂に全員十匹はわが隊に降伏せり、なお愕ろくべきことには、彼等は明瞭なる日本語を話すことを発見せり、わが隊はこれより彼らを連行し、直ちに帰艇せんとす、終り”

これで、第五斥候隊からの報告は終った。

「ふーん、飛空機に置いてきぼりを食った彼らは、遂にネを上げたと見えるな、どんな彼らが来るか見ものだわい」

辻中佐は幕僚を見かえって、いった。

「はあ。――それでは第一、第二、第三の各斥候隊に帰艇を命じましょうか」

「うむ、そうしてくれ、それから飛空機上の第四斥候隊とはまだ連絡がとれるか」

「はッ。おい無電員、第四斥候隊の方はどうか。