轻松读懂日语经典作品
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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年12月~1934(昭和9)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 页
「で、品子は、娘は生きていましたか?」
「イヤ、そうではないのです。賊の乗り捨てた空っぽの自動車が見つかったばかりです。奴等はこの区内のKというガレージから、タクシーを借り出して使用していたのです。運転手も賊の仲間で、ちゃんと免許証を用意していて、それをガレージの主人に見せて、車を借り出したと云うことです」
「その空車は、どこにありました」
「渋谷の向うの三軒家の淋しい傍道に乗り捨ててあったのです。ただ自動車だけなれば、こんなに早く知れる筈はないのですが、赤蠍の奴、又例のいたずらをやっているのです。その空自動車の客席には、あの真赤な大蠍が、螯を振り立てて、傲然と腰かけていたっていうんですからね」
「品子を隠して連れ出したあの鎧みたいな大蠍が?」
「そうです。だもんだから、忽ち附近のいたずら小僧共に見つかってしまったのです。自動車の中にえたいの知れない真赤な動物がいるというんで、大変な騒ぎになったのだそうです。間もなく警察にもその事が知れて、我々の方へも電話の通知があったものだから、課の者が行って見ると、やっぱりあの大蠍だったのです」
「で、その中には、大蠍の中には?」