轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
「夕刊朝日新聞」1951(昭和26)年6月18日~9月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,360 字 · 251 页
文章が混乱しているばかりではなく、むやみに消したり、細字の(判読のできない)書き込みがあったりして、要点を抜き書にしてみても、意味をなさないところが多かった。
半之助は、日記や見聞記をも照合しながら、幾たびも読み返し、ついには綴糸を切って、消してある部分を裏から見たりした。しかし辛うじて、
――伏岩は沢の窪の西を……。
――むささびの巣があって。
――椹ヶ池の底には、……伝説の巨木が沈んでいるのが見え、……その周囲は……。
――暗がりから、危なく、またしてもあの。
――死地に入らずんば、運、生死は天命なり。
右のような、切れ切れの字句を、拾うことができただけであった。
つづめたところ、これらの手記からは、なにがそんなにも叔父を惹きつけたか、という理由を知ることはできなかった。ぜんたいを通じて眼につくのは、繰り返し、「かんば沢へ近よってはいけない」と警告していることである。
――それは云い伝えられているよりも、はるかに大きな、決定的な危険がともなう。
そんなふうに、強い調子で、いやになるほど執拗に、書いていることであった。その他のことは、どう読んでも、統一した意味がつかめない。