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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
「座談 第三巻第六号~第七号、第四巻第一号~第三号」1949(昭和24)年8月1日~9月1日、1950(昭和25)年1月1日~3月1日(未完)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,621 字 · 195 页
「あのお嬢さんの容態はどうだね」
「どうやら命をとりとめたそうです。あのお嬢さんが生きかえると、色々のことが分るでしょうな。まア、それまでは、ボクは何も考えないことにしていますよ」
そこへ蛸重の倅の久七を捕えて連行したと刑事が報告した。
「どこでつかまえたのだ」
「それが奇妙なところでしてね。我々は倉田組へ張りこんでいたんです。夜釣りの久七もそこへ舟をつけるだろうと見込んでいたんですが、あの野郎、魚市場へ舟をつけて、品物をさばいて、スシ屋の二階で酒をのんで寝ていやがったんです」
「倉田組の様子はどうだい」
「なんの変ったこともありません。倉田組の漁船は今暁はまだ一隻も戻りませんし、滝沢三次郎の行方は相変らず判明しません」
倉田家の殺人事件とは別個に、海上一帯に捜査網がはられていた。倉田家の殺人事件に劣らない怪事件が起ったからだ。
夜釣りの久七を探しにでたランチが沖で発砲をうけた。これがピストルなどゝいう生易しいものではなくて、機関砲でやられたのである。船首に立ってライトを向けていた二人の巡査が同時に殺られて海中へ落ちてしまった。ライトと屋根が吹ッとばされたが、船体へ一発も見舞われなかったのが幸運で、命カラガラ逃げて帰った。