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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

四月二十一日

四月二十三日

四月二十七日

四月二十八日

四月二十九日

強風。

『朝日』にやるもの書きはじむ。少し神経質にてよく進まず。

苅田さん来。Y、しきりに写真をうつす。

四月二十一日(木曜)

十五銀行休業す。

春の嵐。白い梨花、青ずんで来たポプラーの若葉、鉛色に光り今にも雨になろうとする空。

パッショネートな嵐し。

四月二十三日(土曜)

『朝日』に、「明るい海浜」三十枚送る。

四月二十七日(水曜)

Y、関さんと男の子、自分、三人半づれにて那須に来る。小松屋。

時候の故か元来た那須と違って居るので変な心持。

四階の隅の部屋、

子供一人居ると、こうも賑やか、且つ目まぐるしいものか。

四月二十八日(木曜)

迚も暖か。お話にならず、湖月園へゆくと云って出、途中、右手の芝丘に登って日向ぼっこをする。かえると、カルピスを盛にのむ。

春リンドウの小さい花。

まだ早春の山に白く目立って居るコブシの花。

先、大変美しいと思った見晴し台の下のブッシュ、皆きりひらいて学校が立って居る。

一種の哀感あり。

四月二十九日(金曜)

Y、閉口し、明日かえってくれね、たのむよ、随分辛棒して居るんだから、と云う。無理なし。

然しかえりたくもなく、切なく、苦笑す。