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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

十二月十一日

(一時間停車)

次の小駅より気候すっかりさむくなり、木に氷花を見る。

窓、特に車室の窓凍りてよく見えず。

いよいよ中央シベリアになる。十時頃にやっと太陽がぼんやり出て、四時すぎには夕方になってしまう。日のぼんやり照るのが一日に六時間。

この辺エハガキをさがしてもなし。いかにもシベリヤらしい。

〔欄外に〕

イルクーツクを出たばかりのところに大きな壮厳な氷結した河あり、アンガラ河。

十二月十一日(日曜)

○雪は浅い。下から草が見える。然しそれで四五月までとけない位凍って居る。野を翔ぶ鳥を見ず。

○曇天つづきなり。

○凍って真白い窓。何も見えず。夜外を見たいと思って顔を近づけると、見えるのは自分の顔ばかり。

クラースノヤルスク(午後三時頃)二十五分間停車、ラフカ〔小売店〕に、小アジアから来た細長いブドーあり。

○シベリア文学雑誌『シベリアの火』を書記生さがしてくれたがナかった。

汽車が出てからオベード〔昼食〕をたべ、変な黒海でとれる大きな白味の魚のブツ切りを白ソースで煮たものを出され気味わるく食わず。

○雪らしい雪も降らない。

〔欄外に〕

駅から出たばかりで、エニセイ河。