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にっき
日記
宮本 百合子
13 一九二七年(昭和二年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页
十二月十八日
十二月十八日(日曜)零下二十度
芸術座で、青い鳥をやって居る由、それを秋田さんの部屋で米川さんからきいたのが十二時十五分すぎ。いそぎ出かけたら、切符売切れ。入れず。青い鳥故子供づれの人も大勢あったがかえされた。
出たついで故、そのまま一寸宿へよって、土産物をもって、ブブノワさんに紹介状をもらった人のところへ行かけた。
街の見当はついたが、家見つからず。歩き、きき、戻り、又きき、又来た方へ戻る。散々やって、フト一人、大変親切な女のひとに出会い、その人が9Aというのをきいて、きいて、散々又歩いて、やっと見つけた。古びたモスクワの家、殆ど真暗な階段、おどり場、一人が一間ずつ部屋をもって、ごたごた古臭いものばかり飾ってあった。外国人の友達にうっかりつき合うと、やかましい、明日、役人が来ないものでもないと、ひどくビクビクして居て、変な心持がした。クワルティーラ〔共同住宅の一戸〕を見つけて貰うどころの話でなし。かえる。細君の姉という人、元、オペラの女優でイタリーへも行って居たことある由、心臓病で横になって居た。その人英語で、右のような話をした。
十二月十九日(月曜)