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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

十二月十九日

十二月二十日

笑子、鳴海、秋田この連中でボックスへ行ったところ、今夜七時から芸術座にあるドストイェフスキー記念演劇会に切符とれる由。五留ずつ。高いがしかたない。行くことにしてかえりに、大学前の本屋へよって、セーフリナ、アンナ・アフマトワ、ベラ・イムベル、マリエッタ・シャギニャーン。オリガ・フォルシュ、ゴルキーの新作を買った。茶をのみかえる。

ドストイェフスキー記念会は面白かった。始め、「罪と罰」を一部分ずつ、コスチュームなしでやった。後、「カラマゾフ」をコスチュームにて。チェホフの甥、相当人気ある役者の由だが、フョードルをした、カチャロフなどに比すと、スケール小さいし、名俳優と思われず。ヤニングス的俳優モスクビン、人情的役者で、面白かったが、カチャロフにフランスのクラシックは出来ても、モスクビンには出来ないところあり。

十二月二十日(火曜)

朝モヤ、鳴海さんとボックスへ行く。自分部屋で明日の講演会の下拵えをした。そのために机に向ったところ、余り久しく人の中にあったため、気分まとまらず。行李から芥川龍之介を出してよみ始めた。周囲が日本でないとこんなに違うかと思われる位、つまらなく、モザイックの感じがし、心にぴったりして来なかった。