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にっき

日記

宮本 百合子

13 一九二七年(昭和二年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 40,068 字 · 81 页

青空文庫

十二月二十六日

十二月二十七日

○かえりにキノアルスを見た。「二日(ドワ・デニエ)」オデッサに於ける白赤の衝突から題材をとったもので、やはり強い、強い、強い。

十二月二十六日(月曜)

久しぶりで一日家居。

何だか落ちつかず、二人一つ部屋に居るの苦しいと思う。

二人ともひるねをした。

夜、モヤ、本をよんでくれ、(セーフリナの伝と、唯物史観)自分編物をして、一方の方のスウェターの袖をあんだ。

十二月二十七日(火曜)

ボックス、大使館へゆく。始めて、網野さんの送ってくれた新聞が二包み来て居た。大阪を十七日頃出て居る――五日六日の新聞。

○珍しき暖かさ、窓の氷がすっかりとけて、下の家々の屋根がよく見え、煙突から出る煙も見え、いい心持であった。

○街路の雪、軟かになって、深くガローシを埋める。橇重そうなり。

○花屋の窓の氷もとけ、街から白いリラの花やシクラメンの花がすっかり見え、美しく、シクラメン一鉢欲しかった。Y、「お正月だから一つ買おう。いくら位かな、三留位だろうな」やはりゲルセン街で、1.30のバター入れのガラス器、十一哥の皿三枚、エハガキなど買った。インク四十一哥、それでこれを書いて居る。