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にっき

日記

宮本 百合子

21 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,646 字 · 48 页

青空文庫

四月十六日

四月十七日

四月十九日

サア洗ってやる、隆、バケツに入れて洗ってやる。ゴム長に over-all の二人。

〔欄外に〕

お寺の庭の外に菜の花エン豆の花がさいていた。荒神石段に野生の勿忘草が咲いていた。

神風。今暁0時、九十〔二字分空白〕時間でロンドン着

四月十六日(金曜)

帰京。

盲腸のところがつれて歩くのにも困難を感ず。

四月十七日(土曜)

面会に行こうとしたが朝おきられず。湿布腹帯をする。

午後、寿とグレース・ムーアの間奏曲を見にゆく。ムーアをああうたわせ、こううたわせ、その工夫だけが目についてムーアに可哀想なり。

四月十九日(月曜)

面会にゆく。mいかにも和らいだ気分で大変大変よろこんでいる。そのよろこびかた「うれしく思っているよ。大変だったね、いろいろ御苦労だった」何か深く私のこころにふれるものあり。よろこぶのが可哀想のような。このやさしさ。

(島田にいた時、夜炬燵のよこで富雄と達治とが、mが子供のときケンカにつよかったことについて話していた。その調子の中に自分の憎悪をかき立てた卑俗さがあった。それを彼のこのやさしさにつれて思い出し、弟だって親だって、こういうところをつかんでいないと腹立たしかった。