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にっき
日記
宮本 百合子
21 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,646 字 · 48 页
四月二十三日
四月二十四日
)
四月二十三日(金曜)
曇天。街路樹の銀杏の若芽がこってりと濃い油絵具をぬったように曇天の下に見える。美しい。路巾がひろく人がまばらに見える。
飯田橋より水道橋までの間の河岸の荒廃した景色。もとのホーヘイコー廠の空地に東洋のハーゲンベックというサーカスが天幕をはっていて、そこの並木が旗でかざられている。
○陸橋の上の方から見下すと、ひろい改正道路の先がはっきりした見とおしで細くなって、その左右の街路樹の緑が見える。ずっと先の方に新宿辺の高層建築が見はらせる。
四月二十四日(土曜)
陶々亭日本評論座談会。散会後ラスキンへ行って中野、徳永、大宅、大村、私お茶をのみ喋り、そこから三人で寿司栄による。
大宅、中学時代賀川豊彦の徒で、賀川が演壇でワーと沸かして、うちへかえるとそこで展開する生活を対照的に批判することから、露悪的傾向をもって「今日こんな変なもの」になったという話。いろいろの意味で面白かった。変なもの、変でないもの交々去来している、彼の中には。変でないもののままに言動することを自嘲する彼の変なもの。
〔欄外に〕
○托児所のことで来た女。変にあいまいなものの云いかたをするので、突込んで行ったら、結局うらで赤松克子が、いろいろ云っているということが分った。