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にっき
日記
宮本 百合子
21 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,646 字 · 48 页
三月三十一日
四月一日
四月二日
宮が経験した経済的な苦しみは、何も云わなかったが、宮をきたえている。マルクシズムに興味をもつようになり、しかも家のものに対する心持もあって、その関係を考えているあたりいろいろ深い示唆を与え、私の作家的熱意を刺戟する。
三月三十一日(水曜)
〔発信〕島田での第二信
茶の間の障子をなおすことにして建具屋を呼ぶ。硝子の大きい二尺三寸のを入れて寝ながら外が見えるようにするのなり。四枚で¥28.
〔欄外に〕
○低くたれ下っている家の軒の「しころ」。
○松の枝をくくりつけて又こしらえてある物干。
四月一日(木曜)
寿江子に私がアイサツにまわるためのタオルを十七箱送るようにたのむ。
〔欄外に〕
◎今日から郵便ねあげなり。三銭が四銭に一銭五リが二銭に。ありがたき庶政一新というべきか。
四月二日(金曜)
〔発信〕島田からの第三信
〔受信〕三月十八日付の手紙への返事
○野原にゆく。荒れはてている。(荒れ果てている二階の部屋の方の有様ナカナカ面白し。)その中に陽に青い苔。庭木。親子三人。目の大きい利口で弱い娘。
しゃぼてん。鶏舎のあたり。古いハタ、こわれた油をしめた小舎。奈良で大湯屋の辺を歩いたときのとおり、生活の余韻をしみじみと感じた。