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にっき

日記

宮本 百合子

21 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,646 字 · 48 页

青空文庫

九月二十一日

九月二十二日

新築地 4枚

「夜叉のなげき」『あらくれ』、7枚

○M・Kさん来。尾去沢ダムのことを二百枚の小説にしたから見てくれ、百枚以上をよむ。自分いろいろ可恐い気がした。これだけ所謂筆は立って、三ヵ月近くも実地を知っていて、これのようなつくりごとしかかかないということについて。

秋のあわれを感じるのも、皆が夏をしのいですこし体力が下っているからなのではないか。

〔欄外に〕

「夜叉のなげき」から、十一月号全部、宮本百合子と署名する。

○夏の疲れが秋になって出る。去年からこのことを感じる。去年は今頃ひどい熱を出した。そして二十五日頃上林へ行った。栄さんの話で思い出した。

九月二十二日(水曜)

○戸台さんのところへ本を見にゆく。かえりに稲のところによる。徳永の話でカンカン。やきそばをたべる。大変美味かった。

八十円の予算でくらしている。米の上った分だけ麦、麦の上った分だけダンゴ汁、原稿料は下る一方。徳永直の救いがたさ。林へ泣言を云う!(いのち)皆が、食うや食わずに働いていたとき、ともかく家をたてて、今泣きごとを云う。様々に複雑に腹立たし。何のためのプロレタリア作家なりや。