轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あんこくせい
暗黒星
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」1939(昭和14)年1月号~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,000 字 · 188 页
たちまち書生たちが駈けつけてきた。庭にも書生の叫ぶ声が聞こえた。そして騒がしい怪物追跡がはじまったが、覆面の人物は、いつの間に、どこをどうして逃げ去ったのか、庭じゅうを探しまわっても、ついにその姿を発見することができなかった。
伊志田家の娘としての綾子は、行方をくらましてしまった。そして、再び帰ってきた時には、まったく悪魔と化身していた。いまわしい覆面の怪物として、邸内をさまよった。
彼女はなぜ家出したのか。それは一切の人界の絆を断ち切って、悪魔になりきってしまうためではなかったか。そういう考えが、伊志田氏は元より、一郎青年を恐怖と悲歎のどん底におとしいれた。
翌朝、このことが警視庁に報ぜられたのはいうまでもない。そして、北森捜査課長の計らいで、伊志田家の警戒はさらに一そう強化されたが、黒い怪物は、物質界の法則を無視するかのごとく、思いもよらぬ時、思いもよらぬ場所へ、その無気味な姿を現わした。
ある時は、着替えをするために、洋服の戸棚をひらくと、かけ並べた洋服にまじって黒い釣鐘インバネスが下がっていた。よく見ると、それには黒い頭部があり、くり抜いた二つの眼が光っていた。