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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

もう、すっかり暮れてしまった海と空とを前に、今井は宮田と籐椅子を囲んで、紅茶を飲んでいた。

「いらっしゃい!」

京子は快活に叫んだ。

「やあ。お帰りなさい。先刻からお待ちしていました。」

「ちょっと散歩に出ていたものですから。」

「お嬢さん、しばらく。」

宮田が京子にあいさつした。

「お邪魔じゃないかと思ったのですが、先日お電話でああおっしゃって下さったものですから、図々しく押しかけて参りました。」

今井は、まだ立ちながらいった。

「まあ、今井さんおかけなさい……」

「ええかけます。どうぞ、あなたも。」

京子も、テーブルに向ってこしかけた。

「ご迷惑じゃありませんか。押しつけがましくやって来まして。」

「いいえ。わたし達二人で、そろそろあきかけていたところですの。二人じゃ、何も遊びごとは出来ないし。」

「ごもっともです。それで実はあなた方に一つ麻雀をお教えしようと思って、東京から道具を持って来たのです。」

「まあ、ご親切さま。でも、麻雀なら、わたしの家にもございますのよ。」

「じゃ、むろんやり方もご存じですか。」

「え、存じていますわ。美智子でも、よく存じていますのよ。