轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

ハヤマの海

一

彼は、十二時まで待って、漸く思い切った。家に帰って寝室に入ったが、一睡も出来なかった。夜が白む頃、やっとまどろんだかと思うと、烈しい自動車の爆音で目をさまされた。

ハヤマの海

一

自動車の爆音に夢を破られて目をさました村川は、枕元の時計を見たが、七時を廻ったばかりである。こんなに早くこの家へ自動車が来るのは、珍しい。一体だれが来たのだろうと、寝衣のままベッドから降り、青いカーテンをあけて下を見ると、玄関にオープンの自動車が横づけになり、運転手が乗手の来るのを待っている。

おやおやだれが乗るのだろうと思っていると、さわがしい人声がして、玄関のドアが開き、一番先に走り出たのは美智子である。だが、美智子はよそゆきの洋服を着ていないのを見ると、彼女が乗るのではないらしい。と見ると、彼女は両手で、パラソルを持っている。それは、見覚えのある京子のパラソルである。とすぐ、美智子とつづいて、京子が玄関に姿を現した。村川は京子を、もとからすきではなかった。だが、着物の都会的な好みだけには、いつも心をひかれる。初夏そのものを思わせるようなさび青磁の羽織が、その長身の美貌を引立てて、初夏の麗人といったような新鮮な美しさにかがやいている。