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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

招かれざる客

一

この間も、四喜臨門をして皆を驚かせましたのよ。」

「おや、おや、こいつは恐れ入りましたな。じゃ、あなたもむろんエキスパートでいらっしゃるのですか。」

「いいえ。わたし、カラ駄目でございますわ。」

「いやどうして。そんなご謙遜は信じられませんな。宮田君、こいつは参ったね、少々。あなた方を牛耳るつもりで来たのが、スッカリあべこべになりそうですね。」

「いや、どうして。こうなれば、お互に実力を発揮して堂々と覇権を争うほかはありませんな。はははは。」

宮田がいった。

「おほほほほ結構ですわね。」

京子は笑った。

「倭文子さんは。」

今井が、初めて不思議がった。

「おや、すぐいらっしゃるはずよ。」

と、いいながら、京子は倭文子を求めるべく立ち上った。

招かれざる客

一

「倭文子さん、倭文子さん。」

京子は、階段の上から、呼んだ。

階下の薄ぐらいホールで上ろうか上るまいかとためらっていた倭文子は、京子の声を聞いたが、

「はい。」と、気軽に返事する気は、どうしても起らなかった。でも、

「いらっしゃらないの、倭文子さん。」

と、京子が二三段降りかけたので、あわてて、

「いいえ、すぐ参ります。