轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」朝日新聞社、1925(大正14)年7月30日~11月4日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,960 字 · 247 页

青空文庫

彼女は倭文子の遺書のようなものがありはしないかと思ったからである。だが、寝台の上にもその傍の小さいテーブルの上にも何もなかった。

「警察へでもお届けいたしましょうか。」

「何をいうの。だまっておいで。」

別荘番の女房をたしなめると、京子は寝室を出て隣の座敷へ入った。

そこは、昨日彼女が見捨てた時と、寸分違っていなかった。テーブルの上の演芸グラフィックも昨日と同じく麻雀とかいう女賊に扮した栗島すみ子の大きい横顔の写真が開かれたままである。だがその横にあるシガレット入りの銀の小箱を見ると、京子は目をかがやかして、それを取りのけた。その下から、西洋封筒が三分の一ばかりハミ出しているのを見つけたからである。

表には、ちゃんと「川辺京子様」とかいてあった。宮田からだと思って、裏を返すと村川生とかいてある字が、鋭い短剣のように、京子の眼を突き刺した。

あなたの奸計が因をなして、宮田君が行方不明になりました。生きて帰ってくれるかどうか、我々にはわかりません。宮田君が無事であってくれれば、我々もまた帰って来るつもりです。我々というのは(よく覚えていて下さい)僕と倭文子さんとの事です。