轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんさいこうき
震災後記
喜田 貞吉
「社会史研究 第一〇巻第四号」1923(大正12)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,544 字 · 41 页
九月二十日
と答えられる。全くその通りで、各自にこの覚悟があってこそ再び焼け太りの運命は開けるのだ。しかし寺は潰れる、町は焼ける、そのうえ鎌倉第一のお得意なる富豪紳士の別荘が復旧されぬとあっては、その復興は全くもって容易であるまい。歴史的の鎌倉もこの地震でいよいよ廃墟となってしまうのではあるまいかと心細い。
九月二十日(木)
今日はどうあっても京都行を決行せねばならぬ。まだ中央線・東海道線ともに不通とあって、余儀なく信越線から中央線へと大廻りして出かけることにした。大塚から田端、田端から大宮、大宮から高崎、高崎から篠の井、篠の井から名古屋と、数度の乗りかえの度ごとにその混雑は一と通りでない。ことに名古屋までは、二等車もなく、多数の避難者と同車でほとんど身動きも出来ぬくらい、今もって車窓が出入口となっている有様だ。それでも当初の屋蓋に上ったり、窓口にぶら下がったりしたころから思えば、比べものにならぬほどに楽になった訳だと思う。
駅には所々にまだ慰問品の配給があり、青年団の斡旋がある。しかもこれに対して聞くに堪えぬような言辞を弄する無作法な罹災者(?)も中には少くなく、また公然その配給品を着服する普通の乗客の多いのは苦々しく思われた。