轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんさいこうき
震災後記
喜田 貞吉
「社会史研究 第一〇巻第四号」1923(大正12)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,544 字 · 41 页
★暴利征伐
それに対して法律の保護を求めようとしても、「このさいのことだ」として世間は借家人の方に同情して没義道扱いにされてしまう。まるで踏まれたり蹴られたりとはこのことだと愚痴っている人もあった。
安政の地震後には震災による幸不幸を対照絵解きした一枚摺がいくらも出た。中には地震を謳歌してこんな事ならいつでもよいなどと言う不埒ものもある。そして今度の震災についても、またそれに類したものが少くないことを実見する。
自分の損害は茶碗を三つばかり割ったのみだと言うある勤め人、家主から九月分の家賃を半減されて、そのうえ宅では数日間家族の数に応じて食物の配給を受け、勤め先では毎日諸方から来る見舞品の分配に預っていた。
罹災者でもないものが罹災者顔して慰問品を貰ったり、配給品の面倒を見てその上前をはねたがために、問題を惹き起した浅間しい人もある。世の中はさまざまだ。
★暴利征伐
他人の災害をよいことにして不当に商品を値上げし、この機会に暴利を貪ろうとする奸商の少からぬのは憎んでもなお余りあることだ。地震とともに電気の供給が絶えたので、一日の夕方近所のWという油屋へ石油買いにやったところが、たちまち二倍以上に値上げして一升一円の割で売っておった。