轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

春の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,757 字 · 321 页

青空文庫

第六十四 大至急

かかる人を妻にする我身こそ幸福なれと座にありし大原満が独りニコニコ恐悦顔。

第六十四 大至急

未婚の人が結婚後の事を想像するほど愉快なる事はなし。大原満は今こそ愉快の焼点に立てり。愉快度に過ぎて帰る事を忘れたれども小山夫婦が遅くなるとて別を告ぐるに自分独り留まらん事なり難く、お登和嬢に心の名残を惜しみつつ夜に入りて中川の家を出でたるが下宿屋へは足の進まずしてとかく心は後方へ戻る「ウフフ、有難いな、こう早く事が極まろうと思わなかった。最初の形勢では容易に中川君同胞が承知しそうもなかったけれども案じるよりは産むが安く、今では向うの方がかえって此方より熱心だ。この近所へ家を捜そう、勝手道具は此方で買おうと中川君の意気組は大したものだ。これというのも全く小山君夫婦の尽力に違いない。小山君夫婦が僕のために中川君同胞を説てその心を僕の方へ傾けしめたに違いない。さもなければ中川君はともかくも御本人のお登和さんがなかなか急に此方へ心の向きそうもなかったもの、アア持つべきものは朋友だ。小山君夫婦があればこそ僕にこういう幸福が来たけれども朋友の尽力がなければ僕の独力では到底お登和さんを得られない」