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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
春の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,757 字 · 321 页
第四十三 鰻の中毒
と客を促して共に大原の下宿へ尋ね行きぬ。
○鶏肉は平均蛋白質壱割八分ないし弐割、脂肪が九分ないし壱割、その余は水分なり。
○鶏肉は屠殺したるものを直ちに調理しては味悪し。冬ならば三、四日の後、夏ならば一両日の後を可とす。
○鶏その他鳥類の病死せるものあるいは腐敗に近きものは眼の中に水液を含み、嘴の中ねばり、羽抜け易くして肛門ゆるみ水気を含む。用ゆる者はよく注意すべし。
○鮮しき鳥は前文の悪兆なく眼の球に光沢あり。
○陸上の鳥類即ち鶏鳩鶉鴫雉の類は消化良し。海鳥即ち雁鴨鵞水鶏の如きは陸島に比して消化悪し。
第四十三 鰻の中毒
大原満の大食家も時ありて失敗する事あり。彼は今下宿屋の楼上に病の床に臥して起つ事叶わず。平生の元気も失せて呻吟してありける処へ親友の小山中川の二人尋ね来りければ徒然の折とて大に悦び枕に臂をかけて僅に頭を揚げ「これは御両君、よくこそおいで下された。僕は疾うから御両君の家へ上らねばならんのだが、何を隠そう大失敗をやらかして一時は殆ど死ぬかと思った。実はこういう訳さ。先日小山君の家で晩食の御馳走を戴いてその帰りに外の友人の家へ寄ったらちょうど僕のような大食家が二、三人聚まって鰻の丼の競食会をしていた。