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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
春の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,757 字 · 321 页
第十八 芋料理
小山君の妻君はなかなか世話好だからね」大原「ウム、そんな迂遠な方法を取らないでも近路はいくらもある。小山の妻君が世話をしてくれる処なら何処へでも遣るかね」主人「何処へでもとは言われんが相当な処なら」大原「無論相当この上なしだ。マア僕もちょいと小山君の家へ往てみよう。さようなら」と例の大風呂敷を小腋に抱え、劇てて戸外へ飛出したり。主人留めもせずして送り出し「君は何だかおかしいね」
第十八 芋料理
小山学士の家にては妻君とお登和嬢とが座敷にて頻に料理談をなしいたるが妻君一々お登和嬢の説に感心し「なるほど貴嬢のおっしゃる通り家庭料理の本意は原料の廉い品物を美味しく拵えて食べるのと、棄てるような者を利用してお料理に使うのですね。今のお話の万年スープだの鯛の頭のお料理なんぞは早速私も始めましょう。しかしお話しばかりではなかなか覚えられません、恐入りますけれども何か一つ二つ料理をして見せて下さいませんか。稽古のためですから高い品物は無益ですし、安い品で台所にあるものはそうですね、薩摩芋なら川越の上等が沢山買ってあります。里芋も御座います。そこに今朝魚屋が章魚を持って来ましたから買っておきました。