轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

春の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,757 字 · 321 页

青空文庫

今度は数の子だ。乾固まって塩の辛い奴を碌に塩出しもしないで拵えるから消化そうと思っても消化れない。腸蔵さん、ホントに泣きたくなるね」腸蔵「元日から災難だ。オイ胃吉さん、危いゼ。上の方から黒い石が降って来た」胃吉「なるほど降って来た。これは黒豆だよ。よく煮てないから堅くって石のとおりだ。択りも択ってナゼこんな悪いものばかりよこすだろう。少しは手数のかからないものをくれればいいのに。オヤオヤまた来た。今度は柔らかい。何んだろう、玉子焼だ。しかし何だか少し臭いね、プーンとイヤな匂いがしたゼ。腐っているのではないか」腸蔵「腐りもするはずだ、正月のおセチにするって十日も前に拵らえてお重へ詰めておいたのだもの。せめて玉子でも新らしければ少しは持つけれども、二月も前に外所から貰った到来物の玉子だ。それも上海玉の下等物で、割た時は大概卵黄が壊れていた。腐ったものは堅いものよりなお悪い。きっと例の虫がいるよ、よく検めて御覧」胃吉「オーいるともいるともウジャウジャいる。私はこの虫が大嫌いでね、虫を見るとぞっとして手も付けられない。中でも虎列剌の虫や赤痢の虫は一番イヤだ」