轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
十中八九諸君を失望させることはないと思います」
云いながら、彼はもう町を右へと歩き出した。さもさも確信のある様に。
有名な素人探偵の云うことだ。人々も彼に従って歩き始めた。二郎と警官四名、同勢六人だ。
町角へ来る度に、明智は何の躊躇もなく、一方の道を選んで進む。まるで目に見えぬ道しるべでもある様に。
五六丁歩くと東海道線の踏切りだ。その辺から、夜更けながら、町筋が明るくなる。
「アア、分りました。明智さん。あなたはあれを目当てに歩いているのですね」
二郎が町の明りでそれを発見して叫んだ。人々が彼の指さす地上を見ると、行手にずっと続いている、粉の様に小さな五色の色紙、今までは道路が暗いのと、紙切れが余りに小さい為に、つい気附かなんだが、振返えると、うしろにも同じ様に、幽かに断続する紙の雪。
「明智さん、一体誰がこんな目印を残して行ったのです。そして、これが賊の逃げた道だということが、どうして分るのです」
二郎が尋ねる。
「紙テープと同じ様に、手品に使う、紙を刻んだ五色の雪です。それをほんの少しずつ、地面へ落して行った。これをたどって来れば賊の住家に達するという目印です。