轻松读懂日语经典作品
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
「講談倶楽部」大日本雄弁会講談社、1930(昭和5)年7月~1931(昭和6)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 页
死んだからと云って、安心は出来まいぜ。俺の霊魂は俺同様に、妖術を使うのだ。ヒヒヒ……、嘘だと云うのかね。……ヒヒヒ……嘘だと云うのかね。……見ているがいい。玉村一家の奴等がどんな風にして死に絶えて行くか。よく見ているがいい」
云い度い丈云ってしまうと、彼は暫く、恐ろしい目で空間を睨んでいたが、
「サア、見てくれ。見てくれ」
と突拍子もない声でわめいたかと思うと、見る見る、額の血管を恐ろしい程ふくらませ、顔中を筋だらけにして、無残な泣き顔になったが、いきなりギュンと歯を噛みしめて、その場に悶絶してしまった。舌を噛み切ったのだ。
「アッ」と云って、駈け寄ったが、最早や施すすべもなかった。
源造は仰向きに倒れ、手足を亀の子の様にもがきながら、断末魔の苦悶に陥っていた。もう目は黒目がつり上って、白くなり、鼻は小鼻を開いて、ヒクヒクと痙攣し、口は呼吸の出来ぬ苦しさに、歯をむき出し、唇を裂いて、これ以上開き様もない程、大きく大きく開き、その喉の奥に、血まみれの肉塊が、大きな栓の様に固っていた。噛み切られた舌が、縮み込んで、呼吸を止めてしまったのだ。
鮮血は、泉の様に、口から顎へ、顎から床へと流れ落ちた。