轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
俺そいつ気に入らねえ)と、そんなことでも思っているかのような、寂しそうな顔をして動かなかった。
桂子は顔を千寿の方へ向けた。
「さて千寿様とも朱丸様とも、いよいよお別れでござります……妾の配下五人ばかりを、扈従させましてあなた様方を、故郷の美濃まで送らせましょう。……ここさえ出ましたら大丈夫! 鬼火の姥の眷族であろうと、六波羅方の兵であろうと、一人も追いはいたしません。いえ追わせはいたしません。……故郷美濃へお帰りの上は、立派なご一族もおありのこと、その方々に守られて、安楽におくらしなさりませ。……やがては六波羅も鎌倉も亡び、世は宮方となりましょう。……それまではただひっそりと、つつましくおくらしなさりませ! ……右近太、陣平、軍次、鷺内、将左衛門よ、お前達に頼む! お前達お二人をお送りいたせ!」
応と返辞る声あって、五人の屈竟の若者が、千寿と朱丸との側へ走った。
と、桂子は片手をあげ、遥かの一点を指さしたが、
「見ていてごらん、火がともるから! ……一ツ!」
はたして一点の火が、遥かの暗黒の密林の中へ、朱を打ったように現われた。
「二ツ!」
桂子はまた云った。