轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
「わたくしこれだけ見とどけましたので、とりあえずお知らせいたそうものと、馳せ帰りましてござります」
この頃宮家はお堂の中に、八人のお供をしたがえて、不安と期待とをお持ちになり、芋ヶ瀬の荘司の出よういかにと、それをお待ちになっておられた。
びんずる尊者の古い木像には、薄白く塵芥などが溜まってい、奥の薄暗い仏壇には、仏具が乏しく飾ってあり、香の煙りなども立っていた。ずいぶん古いお堂なので、黴の匂いなども鼻についた。
宮家は仏壇に背を向けられ、庭をご覧になりながら、粛然と端坐しておられたのであった。
「彦四郎はどうしたか?」
側の片岡八郎へ、ふと心配そうに仰せられた。
「背後より大弥太の手の者など、追い討ちかけないものでもなし、わたし殿陣仕ると、このように申して彦四郎は、わざとおくれましてござります」
八郎は一揖してお答えした。
しばらく時が経って行った。
寺庭のあなたの麦畑の中に、芋ヶ瀬の荘司の家臣らしい、甲胄をつけた武士が数人、得物をひっさげて佇んでいて、こっちを見ては囁いていた。
堂守りの僧がさっき、おずおずとご挨拶に姿をあらわしただけで、その後は誰も来なかった。