轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页

青空文庫

……されば、宮家におかせられましても、股肱耳目ともおぼしめされ、お頼みあそばさるることと存ぜられまする。……その一人が欠けますることいかばかり残念至極! ……しかるに錦の御旗は、大権の所在を示すところの、唯一無二の神聖なる標識! で、これとても朝敵同様の、芋ヶ瀬の荘司ごときにお渡しあそばさるること、しかるべからずとは存じまするが、しかし古来より合戦の場合、旗指物を戦場に遺棄し、敵の手にこれを奪われました例、決して少なからずござりまする。……で、この点宮家には、とくとご勘考あそばされまして……」

「いかにも」

と、合槌を打ったのは四条左少将隆貞であった。

「のみならず錦の御旗は、敵に奪われたと申すではこれなく、方便としてただ一時、彼らにお下げ渡し遊ばさるるまで。……しかもこれとても考えようによれば、彼らに朝家のご威徳を、光被させましたことにもなりましょうか」

「うむ」

と、はじめて大塔宮には、幽かに御声をもらされた。

「まことにそちたちはわたしにとっては、手足でもあれば耳目でもあるよ。……一本の手にても取られてはのう。……笈の中より御旗を出せ!」

おくれてこの郷へ入り込んで来たのは、村上彦四郎義光であった。