轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
「時事新報」1934(昭和9)年8月25日~1935(昭和10)年3月16日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,520 字 · 475 页
小次郎は思わず二、三歩さがり、
「誰じゃ※(感嘆符疑問符、1-8-78) ……さては、武家方の……」
「大塔宮様にお目にかかり、許すとのお言葉承まわりたさに、この年月諸所方々を、お後慕うておりまするもの……」
「…………」
「今日の合戦に大塔宮様、ご生害とのお噂なれど、何んの何んのそのようなこと! ……このわたくしの一念でなりと、何んの何んのそのようなこと!」
(何者だろう?)
と小次郎は、その乞食をつくづく見た。
それが自分のまた従兄にあたる、土岐蔵人頼春であるとは、夢にも小次郎には思われなかった。あまりに変わり果てているからである。その乞食の――その頼春の左の腕は、比叡の裏山で、小次郎その人が斬り落としたのであったが、それも小次郎には思い及ばなかった。でも小次郎にはその乞食が、何がなしにしみじみと同情された。
(何か由緒のある乞食らしい。どっちみち武家方の者ではない)
こう思ったので小次郎は云った。
「乞食よ、安心せ、大塔宮様は、村上義光殿お身代わりになり、御自身にはこの道より、高野へお落ち遊ばされたわ。……そちの足もとに死骸となって、横仆わっている若武者こそ、義光殿のご子息義隆殿じゃ!」