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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
胴中がふくれて、あいきょうのある形をしている、その樽だった。上に小さい煙突のようなものがついて、そこから残りの排気らしい煙がすうーッと立ちのぼる。するとその煙の中から、ガウン姿のポーデル博士がひげ面をにこにこして二人の前に立った。
「こんにちは。ヒトミさん。東助さん。おやおや、びっくりしていますね」
「先生。よくきて下さいましたね。ずいぶんおそかったですね」
「先生、ご病気だったんですの」
「ははは。わたくし、病気すること、決してありません。ほほほッ」
「じゃあ、どこか、うんと遠いところへいっておられたのですか」
「大宇宙のはてへいってらしたんですか」
「ちがいます、ちがいます」博士は首を左右にふって「じつは、いずれあなたがたを案内したいと思っていた四次元世界へいっていたのです」
「ああ、四次元世界ですか。あのふしぎな高級な四次元空間の世界ですね。あんなところにいっておられたのですか」
「その何とかの世界は、ここから遠いのですか」
「遠いこともあり、近いこともあります。目の前に、その世界が、この世界と重なりあっている事もあります。とにかくなかなかつかまえるのにむずかしい世界です。