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ふしぎくにたんけん
ふしぎ国探検
海野 十三
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页
そうしてもロケットの壁は破れなかったし、音もしなかった。
そのうちにその怪物は縮みはじめた。天井から頭部が下りてきた。ゴリラのようなかっこうになり、それからますます縮んで、かっぱのようになり、やがてたくあん石のようになったかと思うとなおも縮んで、ぱっと消えてなくなった。
ヒトミと東助とは、いいあわせたように、ため息をついた。
「見ましたね。たしかに見えたでしょう」
ポーデル博士がにやにや笑いながらいった。
「ああ、こわかった。あの化けものは、何ですの」
「あれが、さっきもいった、四次元生物の切り口であります」
「生物ですか」
「そうです。あれはモルネリウスという四次元生物の切り口だけが見えたのです。つまりあのモルネリウスは、さっきあなたがたの三次元世界の中へはいってきて、ずんずん通りすぎたのです。ですから、あの生物が三次元世界と交ったときの切り口だけが、あなたがたに見えたのです。もちろん本当の姿は見えません」
「あれが切り口ですか。切り口が立体になっているのですか」
「へんなようだが、すこし考えると、わけが分ります。ほら、またあらわれましたよ。こんどは長椅子の上のところだ」