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ふしぎくにたんけん

ふしぎ国探検

海野 十三

「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,118 字 · 120 页

青空文庫

あれよあれよといううちに、スピードはいよいよ増して、地球が大きな球になって見えだした。その地球も、どんどん小さく遠くなっていって、そのそばを月がぐるぐるまわっているのが見えだした。

「ははあ、愉快だ。さっき見た水素原子そっくりだな」

東助はもういい気分にもどっていて、窓をたたいてよろこんだ。

「なぜ、水素原子の原子核と電子の関係と、地球と月の関係がそっくり似ているのかしら。東助さん、分って」

「ぼくには、分らないね。ふしぎだねえ」

「博士におたずねしようかしら」

「やあやあ、ヒトミちゃん。左の方から太陽がでてきたよ。明るい大きな太陽だ。ぼくたちは、今太陽のすぐそばをとんでいるんだぜ」

なるほど、そのとおりだった。火星も小さく見えてまわっている。金星も見える。水星も見える。すごい宇宙の姿だ。――いや、これをすごいなどというのは正しくない。そのあとのすごさにくらべたら、なんでもないのだ。

「太陽から、だんだん遠くなっていきますよ」

博士が操縦席からいった。

「あれは何かしら。大きな星だ」

「あれは木星です。反対の側をごらんなさい。大きな光る輪をもった星が見えるでしょう」