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みたびとうほうのへいわをろんず
三たび東方の平和を論ず
大隈 重信
「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页
それと同時に政府には大なる権力がなければいけぬ。世界いずれの国民といえども、喜んで税を納むる国民はない。すでに喜ばぬとすれば、徴税には多少強制的の意味がある。即ちこれが中央に絶大なる権力なかるべからざるゆえんである。中央には常に一国の安寧秩序を十分維持するだけの権力が無ければならぬ。もし国民にして税を納めず、これを徴せんとすれば忽ち安寧秩序を乱すという如き場合には、国家は十分なる力を以てこれを威圧せなければならぬ。が、今の民国政府にこの力の認むべきものがあるか。彼等はかくの如き場合に臨むや、徒に人民に迎合し、その歓心を得るに汲々たる態度を取る。これ明らかにその権力なきを自証するものだ。大して有効でもないか知らぬが、とにかく彼等は人心収攬の手段を取っている。それで税はついに取れぬ。革命後中央に収まる金は僅かに二千万両に過ぎぬ。地方より税を納めずして如何にして中央が成立つべきか。已むなく借款を仰ぐ。今日の状態は独り袁〔世凱〕政府たるがためのみでなく、袁亡んで孫〔文〕が立とうが、黄〔興〕が立とうが、誰が立とうとも同一である。革命的思想を以て頑固な支那従来の謬想を打破せぬ限りは、この現状は幾万世を経るとも変らざるべきである。