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みたびとうほうのへいわをろんず

三たび東方の平和を論ず

大隈 重信

「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页

青空文庫

五 権力なき政府を如何せん

そのために税といえば、ただ権力者の鴟梟の欲に供するものという以外に、なんらの意味なき事となった。これが支那の古今を貫く積弊である。さればこそ立法者、道徳者達は、常に徴税を以て暴政の表象となし、これを以て上王者を諷し下官僚を戒めて来たものである。即ち税といえば、直ちに自己の私を営むものという観念が長く彼等の頭脳を支配して来ているからである。これが古来支那に何か革命でも起ると、直ちに当年の税を免ずるという事を宣言するゆえんで、今度の革命運動にもやはりその故智を学んだ。税の目的たる、もとよりかくの如くなるべからず。税は常に国家の利害と一致せなければならぬ。即ち国民の安寧を保ち秩序を全うし利福を捗すために、而して国家の力独り能くすべくして少数の到底為す能わざる性質の事業に、もしくは外敵を防ぎあるいは懲らす如き方面の設備に使うべきで、これなくんば国家は一日も立ち行くべからざるものである。

五 権力なき政府を如何せん

特に文明の政治は最も多く金を要する。即ち税を要する。すれば支那流の税に対する観念と、文明の政治とは到底両立せぬ。ここに於てか従来の支那思想を根底より一掃せなければならぬ。