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みたびとうほうのへいわをろんず

三たび東方の平和を論ず

大隈 重信

「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页

青空文庫

七 支那に対する日本の位置如何

これがかの国に於ける最大悪俗である。この悪俗が愈々養われて、愈々大規模のものとなり、もはや今日に至って、如何なる智者もこれを能く禁ずる事なしという有様となった。借款はかくの如く支那全土を通じて大賑わいであるが、これはたとい支那の国家が土崩瓦解に至るともその大なる富には変化なく、山河と共に長えに存在するからである。支那の現状はほとんど大なる財産家がその一大宝庫を開いて公衆に分与しつつあるが如き観を呈している。而してこの運動の盛況を来せば来すほど、中央地方の大小官僚がまた多少の利益を得る。従ってまた愈々その盛況を促すという有様だ。かくの如きはほとんど嘘の如く、我等もまたその嘘ならん事を望むけれども、如何せん、事実である。あたかも日本にも今一大疑獄が起り醜穢耳目を掩わしむるものがあるが、支那はこれが昔からで、他人がそのために如何なろうとも、国家がそのために如何様な運命に陥ろうとも関知せぬのだ。

七 支那に対する日本の位置如何

借款全盛の支那の将来は果して如何。経済上大なる利益の声のある所には、欧米の資本家は忽ち蝟集する。一たび某処に一大利益が見ゆるとなると、俄に非常なる投機熱が起り、為に欧州の市場を攪乱した事は屡々ある。