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みたびとうほうのへいわをろんず
三たび東方の平和を論ず
大隈 重信
「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页
三 支那扶掖は天の我に与うる使命なり
これが支那人の恐怖心を誘う上に大なる力を為した。が、それは誤っている。欧米も支那も共に、支那に対するこの観察の誤りを覚醒せなければならぬ。日本と支那とは境相近く、人相同じ、文字もまた相同じ。されば吾人は支那人を味方とこそ頼め、なんでその国を亡ぼす如き事を謀ろう。支那を亡ぼすが如き事を考うる、これほど日本にとって不利な事はない。支那人もまた軽々しく他のためにするところある煽動に乗せられて日本を敵視するが如き事あらば、それほど彼等にとって不利な事は無いとし、即ちおもに支那人本位に立説した。これがその時の論文を一貫した精神であった。
三 支那扶掖は天の我に与うる使命なり
それに次いで、今や第三回の東方平和論を説かんとするのだが、日本対支那の重大なる関係は、十年前の昔も十年後の今日も同一である。否、近来益々日本と支那との経済関係の親密を加うるについて、これを従前に比するに利害の更に大なるものがある。支那の土崩瓦解は日本にとってほとんどその国家を怖るべき危害に導くべきものだ。無論如何なる事のあるとも、そのために日本の存立を危のうする事は無いかも知れぬけれども、なお甚だ恐るべきものがある。