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みたびとうほうのへいわをろんず
三たび東方の平和を論ず
大隈 重信
「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页
十 英国の輿論を導け
英にしてすでに然りとすれば、自余の諸国になんで一指を西蔵に染むるを欲するものがあろう。仏国の南清に於けるもまた同様である。仏国は今日その有する一の東京にさえ困っている。東京は他国の取って利益を見るべき所でない。仏国にしてすでにこれに懲りおる以上は、更に何を苦しんで領土の略奪を支那に企つる事があろう。然らば独逸は如何と問わば、これも本国と甚だ隔絶せる支那の地に、孤立した領土を有する事は如何であろう。かくの如きはその政治家の蓋し頗る考えものとするところであろう。即ち列強の態度を通観するに、今日無謀にも支那に向って領土的野心を逞しうせんとするものは無い様である。が、支那を商業的関係に於て征略せんとする野心は、これより列強の次第に抱くべきところである。
十 英国の輿論を導け
支那の将来はこの列強の経済的野心のために少なからざる混雑を生ずるであろう。即ち列強の間に烈しき競争が生ずる。その結果、利害の強き衝突が起る。これよりして東方の平和を攪乱するにも至るであろう。その結果、支那は非常に困難なる運命に陥る。ここに於てか日本は退守的なるを得ない。あくまで積極的に支那を扶けて立たなければならぬ。