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みたびとうほうのへいわをろんず
三たび東方の平和を論ず
大隈 重信
「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页
かかる苦き経験は東洋人よりも西洋人に多く、祖先以来幾度も繰返している。苦き経験なら繰返しそうも無い様に思うが、それは大なる誤りである。事実に於て彼等はこれを幾度も繰返している。それ故支那に於ける今日の如きもまた然りで、支那が貸せといえば、宜い、持って行けとてどんどん貸す。が、極度に資本を注ぎ込んだ結果は如何なるであろう。如何に投じても案外利益がないと悟る時期が来る。支那に於ける混雑はこれからだ。投資に対して利払いすらも出来ぬとなると、私人の関係はついに移って国家の関係となる。そこで吏員を送ってその財政を監視せしむる事となる。近くは埃及の借款に於ける如きがその好例である。埃及に対する小さな借款関係は未だ他にもあるが、その大なるものを言えば英と仏とである。埃及は支那の十分の一にも及ばぬほどの大きさの処で、且つ英仏いずれとも国境が近い。この両国がついに埃及の破産に原因して争った。即ち相争う事三十年、漸くこの頃に至って協商を遂げて交情を復した。然るに支那に於ける借款はその関係国が、英、仏、独、米、露、日の六ヵ国である。更にその次位には白耳義あり、和蘭あり、米は中頃六国借款から脱盟したが、而かも支那に対して債権国たるは同じい。