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みたびとうほうのへいわをろんず

三たび東方の平和を論ず

大隈 重信

「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页

青空文庫

即ち支那の領土を占領する事となるが、占領しても例の支那国民であるから、それより徴税する事は難い。強いて徴税すれば忽ち叛乱が起る。匪賊が処在に蜂起してこれを征討する列強はために奔命に労るる。即ち沢山の金のみを要してなんらの得るところがない。否、得る処なきのみならず、却って益々損をする。といって資本家連が自分等のためだからとてそれだけの費用を負担するかというに、言うまでもなく不可能である。また如何に国家が金を掛けて自国の利益を保護せんとするとも、一方国際間には自ずから条約がありて一国の自由にならぬ。また自由になっても支那本部には四億万の人民がある。これを軍事的に統御するは難いとすれば、実に厄介な話である。欧米もこれには頗る困難を感ずる。これが我輩の重ねて三たび東方の平和を論ずるゆえんである。

大体欧米ではよほど支那を研究しているであろうけれども、たびたびその観察を誤っている。少なくも三変している。即ち初めは恐れ、次に侮り、分割を思うたが、後にはその非を悟り、一転して経済的に利権の獲得を試みた。ところが意外にも支那に利権回復熱が高まり、米が広東に鉄道の敷設を創むるとこれを拒む。