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みたびとうほうのへいわをろんず
三たび東方の平和を論ず
大隈 重信
「新日本 第四卷第五號 創刊三周年記念號 臨時増刊」冨山房、1914(大正3)年4月3日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,089 字 · 24 页
即ち今の拉摩領の如きがそれである。あるいはその間、不思議に支那及び露西亜に両属の形を取った事、あたかも昔時の我が琉球の如きものであったかも知らぬ。時に支那に向って干戈を動かした様であったけれども、ついに十分な独立国とは為り得なかった。しかしまた同時に十分支那の統治にも入らずに来たのである。これが抑々我輩が一年前に支那に最後の忠告を与え、藩属地にはただ宗主権を収めて独立せしめよと言ったゆえんである。けれど袁総統は当時の我輩の所説には耳を傾けなかった。これが今日の窮状に至るゆえんである。
更に西蔵の関係を見るに、これもまた然りである。西蔵はもしそれが他の勢力を帰すると、直ちに印度がその脅かすところとなるという地勢である。即ち坂を彼方に下り尽せば其処にはダージリンという都市があって、夏も甚だ涼しく印度の大官連の避暑地となっている所である。西蔵は印度の防衛上かくの如く甚だ重要な処であるから、これを他の勢力に移す事は英国にとって忍ぶべからざるところである。さればとて、西蔵は印度の範囲に収めてこれを統治するは甚だ難い。即ち英の西蔵に望むところは、ただそれを他の勢力に帰せしめざらんとするに止まるので、なんら略奪を企つるものでない。