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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

――獄中手記――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页

青空文庫

「どんなわるいことをしたのか知らんが、お父さんは、ふみちゃんに不都合な廉があるから退校させると書いてあるよ」

この言葉をきいて私の胸はどしんと打たれた。眼がまわって倒れそうにさえ感じた。先生はつづけた。

「が、心配することはないよ。無論これはほんとうの退校でなくて、少しばかりの間、学校を休ませるということだろう。僕もよく話してあげるけれど、何しろふみちゃんの家の人は皆、言い出したら最後、後へはひかんという質だから始末がわるいよ。だから、今しばらく、みんなのことをよくきいて、おとなしくして辛抱していなさい。それよりほかに仕様がない……」

私はもう、この先生にも訴えることができなかった。とりつく島もなく、私はただ、黙って先生に別れた。期待を裏切られた心は一層に悲しかった。私は教室に這入って思う存分泣いた。が、応えるものとてはガランとした教室の天井に響く私の泣き声ばかりであった。私はこの時ほどはっきりと自分の孤独であることを感じたことはなかった。

先生の言葉からして私は、昼間既に、先生と叔父との間に、私のことについて話し合っていたのだということを感じていた。