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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

――獄中手記――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页

青空文庫

に来たといった風なのに、私は初歩のイロハからやらねばならなかったので、先生もつい面倒臭がってろくに私を見てもくれないのだった。

で、自然と私は、その学校を怠け出した。仕方なしに学校にだけは出るが、いつもただおしゃべりばかりをしてその日その日を過ごすのだった。無論これもまた自然と父にわかったので、父は自分の思惑どおりには行かないのを腹立たしく思って、私はまた私で、ますます多く不満を感じるのであった。

七月の半ば頃から学校が休みになった。ひっきりなしに手紙のやり取りをしている叔父の元栄から、休みになったら遊びに来いと言って来ているので、私は遁げるようにして、また、吸い寄せられるような気もちで、甲州へ帰った。

塩山駅に着いたのは午後の二時頃だった。雨がどしゃ降りに降っていた。

そこで私は、雨は降っているし、汽車には酔っているので、酔をさましながら晴れるのを待とうと、待合室のベンチに腰をかけて、約小半時間を過した。が、雨はなかなか止みそうもなかったので、どうしようかと思案した揚句、とにかく母の家に行って傘を借りようと決心した。

母の家は駅から三、四町さきの畑の中にあった。