轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
――獄中手記――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,571 字 · 383 页
朝鮮で、祖母の家の下男の高に同情したのも、哀れな飼い犬にほとんど同僚といったような感じを抱いたのも、その他、この手記にこそは記さなかったが、祖母の周囲に起っただけのことでも相当にある、圧迫され、苛められ、搾取されていた哀れな鮮人に限りなき同情の念を寄せたことも、すべてそうした心のあらわれであった。私の心の中に燃えていたこの反抗や同情に、ぱっと火をつけたのが社会主義思想であった。
ああ私は………………………………してやりたい。私達哀れな階級のために、私の全生命を犠牲にしても闘いたい。
とはいえ、私はまだ、どうして私のこの精神を生かして行けるかを知らなかった。私は無力である。何かしたくとも、それをする準備も手がかりもない。私はただ、不平、不満、反抗の精神に充たされた一個の漫然たる反逆児にすぎなかったのだ。
そうした心を抱いて苛々していた時分であった。ある日私が、学校から帰って来て、大叔父の店の横路地を裏口へ曲ろうとすると、
「ふみちゃん、ふみちゃん」と私を呼びとめるものがあった。
誰だろうと思って私は黙って後を振り向いて見た。
瀬川がそこに立っていた。