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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

「はっはっはっ。そんなことはうまく行きやしないよ。僕はもっと違ったすばらしいアイデアを持っている」

「というと、どんな迷案かね」

「最もすぐれたアイデアだよ。某研究所が秘蔵している長距離ロケット機があるんだ。どうせそうすれば、あのロケット機に乗って地球から逃げ出す奴がいるに違いないから、前もってあの機中に潜伏していて、密航するというわけだ。そして月世界あたりへ行ってしまう」

「それはお伽噺だ。今、月世界まで行きつくロケット機なんてあるかよ。不可能だ。それにたとえ月世界に行きついたとしても、向うには空気は全然無いぜ、だから腹ぺこになるよりは、空気に飢えて呼吸の根が停ってしまうよ。だめだめ、そんなことは……」

「いや、アルプスへ籠るよりは冒険的で近代的で――やあ、部長。どこへ行っていたんですか、さっきから探していましたよ」

「遂に、テームズ河口に繋留してある浮標Dの十一号までは、つきとめたよ」

「テームズ河口の浮標Dの十一号とは一体何ですか」

「それはね、第二報の入りこんだ道筋なんだ」

「第二報の入りこんだ道筋?」

「そうだ。第二報はいきなりWGY局から放送された。WGY局は第二報をどこから手に入れたか。