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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
あれをぜひ捕えて帰りたい。
エミリーのことをいっているらしい。エミリーはそんなことは知らないで、水戸の背中を後から抱えるようにしている。――怪人集団は、厚い綱鉄を透して艦内の様子を見る力を持っているようだ。
ワーナー博士は、艦の前方にある鋼鉄張りの窓を明けさせた。その窓のところにはテレビジョン送影機のレンズが取付けてあった。だから艦内の受影機に、近づく城塞の影が入って来た。
城塞の一部に、四角な明るい飾窓のようなものが開いていた。それはこの前に水戸が海底において認めたあの部屋らしかった。その飾窓の中には、大勢の怪人が顔をこっちへ向けて犇き合っている姿が認められた。
――皆、中へ入れ。
怪人の中から、そういって叫んだ者があった。
――なぜ入るのか。
――これから大切な通信を相手へ送るんだ。さわぎ立てては困る。皆中へ入れ。
すると、飾窓のようなところへ犇き合っていた大勢の怪人たちは、ぞろぞろと、うち連れ合って、部屋を出ていった。そして後には、一人の怪人だけが残った、奇妙な器械の立ち並ぶ間に……。
アンダーソン教授とワーナー博士は、互いに身体をぴったり寄せ合い、前方を凝視している。