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ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页
これはこの事件が桁はずれの怪奇内容を持っているところから考えて、当然のことであったろうが、その代わりそういう新聞社は、遅くとも三十六時間後には非常な後悔に襲われると共に、睡りから覚めたように“巨船ゼムリヤ号発狂事件”について広い紙面を割かざるを得なかった。
世界各地の通信機関と調査団とが、ヘルナー山頂に続々と集まってきた。そういう人々の手によってやたらにキャンプが張られ、郵便所が出来、テレビジョンやラジオの放送塔が建てられた。それから簡易食堂や酒場や娯楽場までが出来て、あまり広くもない山頂一帯は、まだ火の手をおさめないゼムリヤ号を中心として、急設文化都市の出現に、もうキャンプ一戸分の余地も残さないようになってしまった。
どの通信社も、始めに派遣した団体のスケールでは、この大事件の報道には十分でないことが判った。そのことが判ると、彼らは本社へ向って、もっと強力な調査機関を備えた第二班の出動を請求した。しかし第二班が到着してみると、そのときには更に一層強力なる第三班の急派を打電しなければならない有様だった。それというのも、発狂したゼムリヤ号の火災は一向下火になる様子がなく、反って燃えさかる模様が見えるばかりか、近き将来大爆発を起すのではないかとも思われたし、そうかといってこれだけの大掛かりの出張員たちがいつ