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ちきゅうはっきょうじけん

地球発狂事件

海野 十三

「協力新聞」1945(昭和20)年9月1日~1946(昭和21)年(終号未詳)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,306 字 · 173 页

青空文庫

と博士は水戸の顔を見直していった。

「伝播速度だけの異常ではない。その他、波動法則にも普通の地震に見られない異常性が認められる。殊に合点のいかないのは、それに続くべき余震らしいものが発見できないことだ。もっとも、もっと時刻が経って起こるのかも知れないが、それにしても、もう相当時間が経っているんだから変だ」

ワーナー博士は、自ら観測した結果について、休みなく語り続け、博士の指にある煙草が幾度となく消えたが、水戸はその度に、ライターを摺った。

「で、地震は今どうなっているのですか」

ホーテンスが訊いた。

「今ちょっと落着き状態にある。とにかく敏感な計器は皆針を飛ばしたりなんかしたので、この間に次の観測の準備をしなければならない」

博士は、研究員たちの忙しそうな姿へ目をやった。

その後にも引き続いて起こるかと思われた海底地震が、予想を裏切って一向に起こらなかった。また余震が全然観測されなかった。

「変だね、あれだけの顕著な地震に余震がないなんて……」

と水戸は呟いた。

「余震がないということはそんなに怪しむことかね」

ドレゴがパイプを口からもぎ取って、目を剥いた。