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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
――地球に行かないで、月に来たわけですか、それは研究の結果、地球には人間という思いのほか進歩した生物がいるし、――いや、これは失礼、本当の話だからおこらないで下さい――、われわれが行っても果して黙ってその物質を採らしてくれるかどうかわからなかったし、一方月の方ならば、これは御覧のように生物一ついないのですから邪魔もはいらぬだろう、と考えて、まあ月の方をえらんだわけです。しかもわれわれは今度がはじめてではなく、もう何度もその物質を採りに来ているんです」
「ふーん、そうか、それでわかった。いや君たちの気持はよくわかるよ、というのは我がアシビキ号も同じような目的で地球を飛出したんだからね」
「ほほお、そうですか」
「そうなんだ、しかも君たちが火星から月へ来るよりか、もっともっと大冒険の途中なんだ。ムーア彗星にある超放射元素のムビウムという貴重物質を採るためなんだからね、これが緑川博士の新動力発生装置に是非とも必要なのだ。そのために我々は大竹中将の指揮下に四万余名の大遠征隊を組織してムーア彗星めがけて飛出したんだ」
「へーえ、あのムーア彗星までムビウムを採りに……」