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だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊
海野 十三
「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~(終号未詳)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 53,967 字 · 109 页
照明装置や、小型電機などもついていますが、これも自動的にはたらいてくれるから、心配はいらない。つまり、暗くなれば、兜の上や、腹のところや、靴の先から、強い電灯がつくようになっている。明るくなれば、自然にスイッチが切れて消える。無電も、いつでもはたらく。号令は、みな無電で入ってくる。ずいぶん便利に出来上っている。かんしんしたでしょう」
「うまく出来ているなあ」
艇夫たちは、口々に、このすばらしい宇宙服のことをほめた。
「ちょっと、おたずねしますが……」
とつぜん叫んだのは、三郎であった。
「何ですか、君の質問は……」
三郎は、ちょっとあかい顔になって、
「どうも、心配なことがあるので、おききしますが、この宇宙服を着ている間は、何にもたべられないし、何にものめないのですか」
と、たずねた。月の世界を歩きまわっているのはいいが、そのうちに、のどがかわき、腹がへって、その場に行きだおれになってはたいへんだと思ったのである。
「ああ、飲食装置のことだね。それは、今説明するのを忘れていた。失敬失敬」
と、説明者は、にが笑いをして、
「飲食物は、兜の中に入っています。そして、左の腕に三つの釦がついているでしょう。